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熱中症の症状 処置 対応と予防

2018/06/28

危険!春~夏は犬の熱中症に注意

 夏場は犬にとって皮膚疾患や外耳炎などが発症しやすい時期です。そしてそれと共に『熱中症』に注意が必要な季節となります。

 人間には、身体中に汗腺があり、汗を書くことで気化熱により体温を調節していますが、犬は肉球にしか汗腺がなく、汗をかいて体温を下げることができずません。また、体全体が被毛に覆われている犬は暑さが苦手な動物です。ちなみに猫も同様ですが、犬に比べ、自由度が高く、自ら涼しいところを見つけて移動するので、熱中症のリスクは犬に比べて少ないです。ですが、犬・猫共に熱中症のリスクは人よりも高く、また重症化しやすい傾向にあります。

 今回は、熱中症の初期症状、応急対応、予防についてお話しします。

熱中症が起きるまで 

熱中症は高温多湿の環境において、体の熱を体外に放出して、体温を下げることができなくなることにより起きます。犬は、舌を出してハーハーと呼吸をすることで放熱、体温を下げようとしますが、その呼吸で放熱できる限界を超えてしまうと体温は上昇し、さまざまな不調が現れ始めます。これが熱中症です。暑がってるな・・と思ってから熱中症が重篤になってしまうまでがとても早く、あっという間にしにつながることも起こるのです。

熱中症を発症する環境

☆高温の環境(車内やエアコンのない室内)

☆散歩中(日中から夕方)

☆気温が高い場所での運動や興奮

☆屋外飼育でつながれている→涼しい場所など逃げ場がない

などが挙げられます。

熱中症を発症しやすい特徴

☆短頭種

☆寒い地域が原産、被毛の厚い犬

☆肥満犬

☆心疾患の犬

☆老犬など体力が低下した犬

熱中症の初期症状 

前述の通り、犬は呼吸によって体温調節しますので熱を放散しようと舌を出してハーハーと開口呼吸をします。また、暑い時期ではなくとも運動したり、興奮すれば体温が高くなるので開口呼吸となります。その呼吸自体は正常な反応ですが、呼吸によって体温を下げきれない場合には、次のような反応が現れます。

☆呼吸が早く浅くなる

☆あえぐような苦しそうな呼吸になる

☆気温を下げたり、涼しい場所に移動しても呼吸が治まらない

熱中症の初期症状です。

このような状態になっても、早期に涼しくして体を冷やすなど対処を行うことで、呼吸が正常に戻り、その後、容態に変化がなければ、大丈夫だと思われます。

ただし、上記のような症状が見られた場合には、まず、獣医師に相談されることをお勧めします。

熱中症が重篤になると起きてくる症状 

高体温が続くような状況下では一気に悪化進行します。

☆目が充血

☆口の粘膜の充血

☆元気がなくなる

さらに重症化すると

☆舌の色や口腔粘膜が紫色→チアノーゼ

☆嘔吐や下痢

☆大量のよだれ→流涎

☆グッタリ、立てない→起立不能

☆震えやけいれん

☆吐血 下血

☆意識消失

となり、命が危険な状態、または助かったとしても後遺症が残る可能性が出てきます。

☆☆重 要☆☆

初期のうちに対処を行っても改善が見られない場合、熱中症リスクの高い犬の場合などは動物病院に連絡をいれ、応急処置を施しながら病院に行きましょう。

熱中症が疑われたら行うべき処置

熱中症のときには第一に体を冷やすことです。熱中症の場合、体温は40℃以上になっている状態で体温調節ができなくなっているので、強制的に39℃になるまで冷やします。

手っ取り早いのは体に水をかけることです。室内であればお風呂場、外であれば水が出る場所などで流水をかけ、体全体を冷やします。 

ただし、逆に興奮させてしまわないよう、状況によってはピンポイントで冷やすようにします。冷やす場所としては

☆首(頚動脈)から頭部→脳を守る目的で

☆太い動脈のある腋の下(前足の付根の内側)、鼠蹊部(後足の付け根の内側)を冷やすようにして体全体に水をかけます。

次に、涼しい場所で、保冷剤などを首~頭部、上記の動脈部位にあて、冷やします。 

また、水が飲める状態であれば水を飲ませます。

熱中症の前兆、初期の状態であればこれだけでも体温は下がり、落ち着いてきますが明らかに熱中症になっていた状況であればその後、診察を受ける必要があります。

いずれの場合も、この段階で動物病院と連絡を取り、指示を仰ぐべきと思われます。

 

予防・準備

熱中症の危険が高い環境を注意することで熱中症は防げる病気です。

☆保冷剤などを常に冷凍庫にストックしておく

☆救急対応可能な病院を確認しておく

☆興奮しやすい状況や行動などを把握しておく

☆犬にとっての適切な室温、湿度を把握しておく

 

まとめ

犬の熱中症は短時間であっという間に悪化しますのでとにかく早い対処が重要です。また、熱中症の重症度は高体温の持続時間と比例しますので、40℃以上の時間が長いほど命の危険性、後遺症の可能性が高くなりますので一刻も早く体温を下げることを徹底しましょう!

ポイントは3つ 

1 体を冷やす・水分摂取

2 動物病院に電話(指示を仰ぐ)

3 冷やしながら落ち着いて病院へ連れて行く

必ず病院に向かう前に電話を入れてください。救急処置の準備の時間が短縮できます。